17歳
愛犬は 17歳になった
もう目も見えない
キャッチボールが大好きだったのに
もうボールを投げてもわからない
窓から入ってくる
涼しい風を受けながら
ずっとずっとお昼寝してる
あんまり静かに寝てるから
息が止まってるんじゃないかと思って
慌てて確かめると
年老いてたるんでしまった
お腹がゆっくりと動いてる
ありがと
今日も生きててくれて
まだちっちゃい息子と
一緒に遊んでくれた
息子が友達を
家に連れてくるようになってからは
みんなに可愛がられて
愛されて
あの公園も
あの川辺も
あのサイクリングロードも
いっぱいお散歩 したよね
この子がいてくれたから
春の光を浴びた
夏の緑に笑った
秋の風に寄り添って
冬の空を見上げた
きれいなきれいな季節の繰り返しの中
わたしの横には
いつも この子がいてくれた
あと
どのくらい
時間は
残されているのだろう
17年家族でいてくれてありがとう
寂しかったわたしと息子に
暖かさを運んできてくれて
ありがとう
風邪ひとつ引かず
なんにもなんにも手がかからなかった
お利口で
聞き分けが良くて
誰よりもわたし達を愛してくれた
この子がお空に還るその日まで
どうか
ゆっくり 時間よ 流れて
まだ
愛したりないから
まだ
この子からもらった喜びを
なんにも返していないから
待て
まだ
逝っちゃ ダメだよ