ほんとの気持ち

小さな旅の始まりは

雨

天気予報は晴れだったんだけどな

とても楽しみにしていた連休

旅に出る前ギリギリに

気持ちが下がるような事があった

そんなわたしの心を

写し出すような

雨…

車の窓に伝わる雫のように

ひたひたと

自分の中にやりきれなさが溜まっていく

晴れていたら辛かったかもしれない

雨で良かった

雨で良かった

そんなことを心の中で呟きながら

なんにも喋らないまま

車は目的地に向かうの

どうして？

どうして楽しいはずの旅の始まりに

そんなことするの？

あなたを責めたいけど

そうしたら

あなたを責めたい自分を責めてしまいそう

前なら作り笑いして

何にもなかった振りをした

これから旅が始まるんだから

私だけ我慢すればいい

ニコニコしてお気に入りの音楽かけて

歌いながらドライブを楽しもう

そんな私は

もう 止めたの

怒ってる

わたし

怒ってるの

それを感じてるうちに

わかった事は

あぁ

わたし

大切にされたかったんだ

大切にされてない気がして

大切にされてないとしたら

不安で

悲しくて

それでこんなに

怒っているんだ

怒ってる気持ちの後ろに隠れていた

悲しみが顔を出したら

なんだか

安心した

わたしの気持ち

わたしは受け取ったよ

誰が何て言っても

わたしはわたしを大切にしたよ

雨が上がり

雲の間から少しだけ陽が射して

今日眠る街に着いた頃

わたし

まだ怒ってるからね

あなたにポツンと言ったら

あなた    優しく微笑んだ

その微笑みが

あんまり子供っぽくて

つられて

わたしも笑っちゃった

もう大丈夫

わたしの想いは満たされて空に還った

最初から楽しいだけの旅よりも

きっときっと

幸せな旅が今から始まる    

予感…

気持ちの後ろに隠れてる

ほんとの気持ち

見えていますか