花が散るまで 愛そう
髪を切りたかったのに
美容室は満員
この髪のままじゃ
どこへ行くにも気分が乗らない
楽しみにしていた事さえ
なんだか色褪せて
くすんだ私は 部屋の隅に転がされた
遊ばなくなったおもちゃみたい
仕事に行けば
みんな浮かない顔
一生懸命励ますけれど
ついつい文句も言いたくなる
わたしだって
誰かに励ましてもらいたい気分なの
帰り道
空は 青いのに
風は 心地よいのに
ため息…
遠回りして
駅に向かうと
薔薇が満開に咲いていた
いつの間に
こんなに
咲いたのかな
満開の薔薇を見ながら
どんなに
色褪せた気分の時も
咲いている花がある
元気なわたしには
花開いて
疲れたわたしの前では
枯れてしまうわけじゃない
季節のままに
咲く時に咲き
散る時に 散る
わたしも 調子のいい時も悪い時も
そのままでいいんだと
そっ と花達が教えてくれる
7月
札幌の夏は まだ始まったばかり
いつか散るのなら
それまで
どんな私でも
愛していこう