裸で雨に濡れてみて
お風呂に行きました
大きなお風呂が好き
若い女の子のプリッとしたおっぱいやお尻や
年老いたおばあちゃんのふくよかな体を見ていると
みんな
きらきら生きているなぁ…
どのひとの裸もきれいだなぁ…
と シーンと感動します
わたしもきっとキレイなんだ
と ほっこり します
露天風呂をのぞくと雨が降ってる
アメンボの足跡みたいな輪が
お風呂にいっぱい出来ている
その輪の中に一人でつかり
雨に濡れながら
お湯の中でじっ と して…
あたたかいお湯
冷たい雨
ぬるい風が吹いてわたしの髪をなびかせる
なんだかもぅ…
涙が出ました
ポロポロポロポロ泣きました
雨のしずくと涙が一緒になって
そのままお湯に溶けちゃうくらい泣きました
ひとりで生まれてひとりで死んでいく
でも
生まれてきてから
ひとりだったことはなくて
みんなに愛されて生きてきたこと
そんな気持ちに満たされて
ポロポロポロポロ泣きました
雨が小降りになった時
小さな女の子を抱っこした
お母さんが入ってきた
楽しそうにお喋りしながら
お母さーんと頬擦りする
女の子のほっぺに
お母さんがキスをする
愛しそうに何度も何度も
その度に嬉しそうに
声をあげて笑う女の子
可愛いね
あったかい風景だね
時間が止まったような世界にいる今のわたし
あ
そうなんだ
わたしは全部持っている
その瞬間わたしのなかで
いろんな物がひとつになる
雨も風も空も空気も
わたしの中にある
欲しいもので
手に入れられないものは
ひとつもなくて
なんにも着ていない
いまの裸の私が
全部持っていることを感じる
奇跡
なんにもいらなくて
なにもかもある
奇跡
裸で雨に濡れてみて
大切なことがわかるから