まるで少女みたいに恋をする

毎日は優しい奇跡で溢れてる 一緒に奇跡を見つけませんか

なみちゃん



なみちゃんの夢を見た

もう何年会っていないだろう




引っ越したマンションで
わたしは10階
なみちゃんは5階

わたしは三人家族
なみちゃんは子供二人の四人家族

子供が同い年だったから
ちょこちょこ遊びに行くようになり
私達はお茶飲み
子供達は部屋中走り回り

なみちゃんは優しかった
それでいて子供をしっかり怒った
お料理が上手で
カレーを10分で作ってくれた
そのカレーがものすごく美味しくて
なんでこんなに早く作れて
こんなに美味しいの?って聞いたら
作るの早いんだわたしって笑ってた

カレーは本当にあったかい
懐かしい味がした





普通のママ友から

親友に変わったのは

わたしが息子と二人っきりになってから



なみちゃんはいっぱい励ましてくれた
もうベビーシッターさんを
たのむ余裕はなくなったわたしに

大丈夫‼わたしが見てあげるから‼

幼稚園のお迎えに行ってくれて
わたしが仕事から帰るまで
息子を遊ばせてくれた
ご飯を食べさせてくれて
わたしが遅くなる時は息子を泊まらせてくれた

お休みの日には
なみちゃんの子供達をよんで
餃子パーティーをした
なみちゃんの旦那さんが出張の時は
なみちゃんと夜中までビールを飲んだ

寂しくて寂しくて大変だったわたしを
なみちゃんは
いっぱいいっぱい慰めてくれたんだ



その頃
なみちゃんにも悩みがあって

わたしも相談にのってあげていたけれど


なみちゃんの悩みは  解決することが出来て

なみちゃんは
ますます幸せになっていった

その悩みのせいで
少しこじれていた旦那さんとも
解決してからはうまくいくようになって

なみちゃんは
ますます幸せになっていったように

わたしには   見えた…







いいな



わたしの心に生まれた感情



いいな
なみちゃんは幸せで



わたしは息子と二人っきり


なみちゃんは
働かないで旦那さんに守ってもらえて
子供達にも旦那さんにも愛されて
なんでもちゃんと出来て


いいな



子供達は小学生になっていた


わたしは息子を学童保育に入れて

なみちゃんに頼むのを



止めた






わたしは変わらず仕事して
なみちゃんは
短いパートを見つけて働き始めた

息子は小学校の友達と遊んで

なみちゃんの子供とは
遊ばなくなった

ご近所のママ友を集めて
わたしの家でよく飲み会はしたけれど
呼んでもなみちゃんは来なくなった

いつか

なみちゃんを呼ばなくなった




そうして



なみちゃんとわたしは

たまの挨拶くらいしかしなくなっていた




そのあと
旦那さんが転勤になって
なみちゃんは東京へ引っ越していった


引っ越しのことも

他のひとから聞いた





なみちゃんにさよならも言わないまま





なみちゃんは行ってしまった









なみちゃん

ごめんね

わたし
なみちゃんが羨ましかったんだ

わたしには  ないものを
たくさん持ってるなみちゃんが   
羨ましかったんだ




なみちゃん
どうしてますか?

わたしは元気です

息子は24歳になりました

なみちゃんの息子さんは25歳
お嬢さんは同じだったから24歳

お嫁さんにいってたりして

それともふたりとも
バリバリ働いて親孝行してるかな



わたしね

来週  東京へ行きます

なみちゃんを探して
なみちゃんに会おうと思ってます

多分同じマンションに今もいるあの人に聞けば
なみちゃんの住所はわかるはず


なみちゃん


ありがとうも
ごめんねも


言えないままです




会いに   行っていいですか



ありがとうを


受け取ってくれますか



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羨ましくて羨ましくて
嫌いになってしまう



そんなわたしも愛せたから


もう あなたに



会いに行けます