本音と本音
5歳下の彼女と出会ったのは
30年前
綺麗な子だなぁ
でも 新人類
仲良くなれても
きっと感性はぜんぜん違う
なんて思ってた
だけど本当に気が合う
いつのまにか姉妹みたいになった
なぜか彼女がお姉さん役
妹役は わたし
でも彼女は結婚して東京へ
わたしは子供を育てて
なかなか会えないまま
気がつくと
お互い一人で子供を育てて
その子供達も二十歳を越えて
ゆっくり会えるようになったのは
この一、二年
あの時 感じた5歳の年の差は
今はなんにも感じない
仕事も恋も笑いも涙も
なんでも話せるわたしと彼女には
嘘はひとつもない
本音 と 本音
気も使わない
お世辞も言わない
わかるわかるー!と頷きあう
わからないことはわからないって言う
おじさんが集まる古い焼き鳥やさん
で生ビール
ちょっとお洒落なバーでモヒート
カラオケボックスでコスプレ
いろんな場所で
喋ったり歌ったり踊ったり
私たち
仲良しだね
私たち
自由だね
いつも本音で話す彼女の存在が
わたしの本音を引き出してくれる
仕事がノリノリな時も
ダメダメな時も
恋をしてた時も
失恋した時も
もう進めない!って思った時も
うまくいったよ‼って飛び上がる時も
まるごと本音で
話してきたよね
こんな友達がいる私って
なかなか
素敵じゃない?
なかなか
幸せじゃない?
こうして二人
美味しいお酒を飲みながら
ピカピカしながら年をとろうね
いくつになっても
軽やかなステップ踏むように
酔っ払って街を歩こうね
本音の彼女の隣には
本音の私が笑ってる
出会えて
良かった
あなたに