小さな 海
涙はいちばん小さな海なんだって
いまにも
泣きそうなきみにそう伝える
恥ずかしくなんてないよ
泣いていいんだよ
ほら
スッキリするよ
流した
たくさんの海のなかで
しゃくりあげて
おぼれそうな
子供のような きみがいる
何か 一瞬ほんの小さな事で
今まで生きてきた道が
歩けなくなる時がある
びっくり するよね
こんなはずじゃない
もっと出来る
まだ頑張れる
自分はこんな ダメじゃない
そうして
助けて
って
言えたね…
そしたら
助けてくれたね
みんな
今からきみも 誰かを助けてあげられるんだよ
助けてもらう大切さが
わかったから
本当に優しくなるために
いっぱい泣かなきゃいけない時もあるんだ
きみが流した涙は海になって
澄んだ水になって
必ず
誰かの心を潤すから
だから今は
いっぱい泣いて
弱音を吐いて
ぐっすり眠って
前だけを見て走り続けた時には見られなかった
空や風を感じよう
いつのまにか夏は終わって
秋が始まっている
この
涼しい季節の中で
きみの新しい毎日は
ゆっくり
ゆっくり
生まれていくんだ
きみは
どこまでも 行けるよ