誰も いない
降りたら
小さな駅が待っていた
夕暮れの終わり
夜の始まり
誰もいない
無人の駅
わたし
ポツン
と
ひとり
見上げると
広い 空
あぁ
こんな空見るのは
ひさしぶり
大人になってから
見上げた空は
いつも何かが
さえぎっていたのに
今
なんにもない
広い 広い 広い 空
そぅか
さえぎっていたのは
わたし
開けていなかったのは
わたし
みんな
こんなに 大きくて
果てしなくて
世界は
受け取って…と
微笑んでいたのに
知らん顔して
勝手に寂しくなっていたのは
私
誰も いない
誰もいないのに
見守られている
寄り添われている気がする
夏の 一日は
静かに
やさしく
暮れていく
さぁ
歩いていこう