同じ日の同じ街の違うわたし
去年の今日
初めて訪ねた街へ
今年の今日 同じ日に
また来ました
去年の風景から
今年の風景へ
お部屋が反対側なので
窓から見える景色も違って
去年は知らなかったお店で
美味しいピザを食べて
去年は写さなかった自分を
写してもらって
一年前の同じ日に
わたしはここへ来たけれど
一年前のわたしはもういない
一年前の同じ日に
あなたとここへ来たけれど
一年前のあなたも もういない
でも
一緒に
また
元気に
来られて嬉しいね
来年も来られるよね
さ来年も来られるよね
そう信じているけれど
いつか必ず
来られなくなる日は来るんだ
だから
いま
たくさんたくさん味わって
たくさんたくさん愛してあげよう
この街にいるわたしを
一年前に見た風景とは変わっても
いま見ている風景を
わたしの中に残していこう
来年また来た時に
その風景が変わっていたら
新しい風景を
わたしの中に残せばいいだけ
いつもいつもいつも
今 を 精一杯愛したい
同じ日の同じ街
戻らない時間
変わっていくわたし
その瞬間
わたしは
生きている
枯れるまで
綺麗に咲くんだ
雨の日にはレインコート
まるでバケツをひっくり返したような
雨
傘を差していても肩が濡れる
足元の水溜まりをよけながら
ゆっくり静かに歩くのに
靴はビシャビシャ
あーぁ
これから仕事に行くのに着替えなきゃ
ふと横を見ると
小さな男の子がはしゃいでる
黄色いレインコート
黄色い長靴
雨は
その子にとって空からのプレゼント
そうだよね
傘なんてほうり投げて
レインコート着て歌えばいいんだ
パンプスなんて脱ぎ捨てて
長靴履いて走ればいいんだ
いつから
雨の日には傘をさして
うつ向いて
歩くようになったの?
与えられたわたしの風景に
逆らわず溶け込んで
受け取ればいい
それだけで
いま足りないと思ってるものが
満たされていく
わかっているのに
わかっているけど
とにかく
仕事に行かなくちゃ
はしゃいだまま
お母さんに手を引かれ
通りすぎていく男の子を見つめながら
傘を握りしめて歩きだす夕暮れ
わたしは
大人に
なったんだ
雨が
早く 止みますように
世界はもっと鮮やかになる
おはよう
あなたからのメールで起こされた
早すぎる朝
雨があがって
空が明るくなり始めてる
もう 風は秋の香り
夏が通り過ぎていく
旅した空を見上げるとひこうき雲
どこまでも緑が拡がる風景の中で
ずっと感じていた
この夏を感じていた
綺麗な夏にしようと思ったの
今まででいちばん自分を大切にする
夏にしようと思ったの
だから
一瞬一瞬を見逃さないように
心に
焼きつけた
この夏
なんでこんなに胸が痛くなるほど
わたしは
世界に
愛されているんだろう
世界に愛されてることに
気づいた日から
世界はもっと
鮮やかになる
世界が鮮やかだと気づいた日から
わたしも
もっと
鮮やかになる
新月の雨
涼しい夏の終わり
雨
今日は新月だね
もう起きなくちゃいけないけれど
雨の音を聞きながら
もう少しだけ眠っていたい
どうしよう
と思う出来事を
どうしよう
と思わないまま
ひとつひとつ片付けた夏
あんなにあった不安は
どこに消えていったんだろう
力を入れて頑張るよりも
力を抜いてまかせる方が
ずっと上手くいくのに
出来なくて
全部 背負い込んできた
ひとりで生きているような
気持ちになっているけれど
誰も
ひとりで生きてはいけないのにね
助けて
手を貸して
そう言って甘えてもいいんだよ
誰かを助けてあげられなくても
誰かに助けてもらうことは
きっと出来るから
新月はスタートライン
この雨に
今までの強がっていた自分を
洗い流して
ちゃんと
あたたかいタオルで
くるんでもらおう
もっともっと
大切にされていい
わたし
願いへの道
愛されたい
豊かになりたい
有名になりたい
成果を出したい
優しくありたい
明るい人でいたい
綺麗になりたい
好かれたい
いろんな望みがあるけれど
まず
許してください
愛されない自分
豊かじゃない自分
無名の自分
成果を出せない自分
冷たい自分
陰気な自分
みっともない自分
嫌われてしまう自分
いいんだ
そんな自分で
いいんだ
願いを叶えるために
人はみんな頑張るけれど
どんなに努力しても叶わない
だって
自分は自分なんだから
今
の
そのまま
の
自分を許して愛して受け取っていこう
そこが
叶えるためのスタートライン
そのままで
願いへの道は続いてる
今日が生まれていく
昨日は忙しくて
まだ眠たいけれど飛び起きて
お弁当を作って
仕事に行って
駆け足で
次の仕事に行って
早めに帰って
お昼寝出来るかな
と思ったら
あなたから
お弁当作ってってメールが来て
急いで買い物して
あなたの好きな
オムレツとポテトサラダを
せっせと作って
取りに来たあなたに手渡して
じゃあね
と
手を振って見送った
ふぅ~
キッチンもぐちゃぐちゃ
まぁいーや
涼しい夕暮れの風を受けながら
ベランダに出て缶ビールを開けた
うーっ
美味しいーっ
暮れてゆく空を見つめながら
ぼんやり
忙しかったなぁ
お弁当で始まって
お弁当で終わった一日
あなた喜んでくれるかなぁ
そんなことを考えながら
やっぱりちょっとオーバーワーク
後片付けもしないで
そのままお布団にもぐり込んだ
洗い立てのシーツがいい匂い
きっとあなたからラインが来るから
そしたら起きよう
目が覚めると
もう
夜明けだった
電話を見たら
あなたからラインが来ていて
たくさんメールも来てたけど
なんにも気がつかなかった
あ
マナーモードのまま眠っちゃったのね
カーテンを開けたら
なんて
綺麗な朝
なんてなんて綺麗な朝
この朝を見るために
昨日の一日があったのかもしれない
この朝を見るために
昨日が用意されていたのかもしれない
だとしたら
大切な大切な瞬間のために
すべてが仕組まれている毎日を
心を込めて生きようと思う
その瞬間を見逃さないように
ちゃんと受け取る事が出来るように
どんどん色を変えて
明るくなっていく空を見つめながら
今日も
大切な瞬間のために始まっていく
わたしの
一日
二度と来ない今日が
生まれていく
ずっとそばにいたい夜
日帰り温泉に行って
あなたとお昼寝した
すごく忙しかったから
寝不足が続いてて いくらでも眠れた
温泉はあったかくて
お風呂上がりのビールは美味しくて
小さな悩みはいっぱいあるけれど
今はとても満たされていて
子供の頃の夏休みみたい
お昼寝から起きたら
お母さんが野菜を切る音
美味しい匂いが部屋中に広がる
もう少し寝てもいいよね
お母さんが起こしに来るまで
優しくて
あったかい
夏の夕暮れ
そんな記憶がよみがえる
あなたの隣で眠る夕暮れ
どのくらい
眠ったかしら
いつの間にか
外は真っ暗
あなたは先に起きていて
もう一度お風呂入る?と
聞いてくれたけど
ううん
帰ろう
ずっとそばにいたい夜
でも
帰らなきゃいけない夜
いつまでもそばにいたい
って
その言葉を飲み込んで
さぁ
帰りましょう
それぞれの
帰る場所へ
わたしはもう
子供じゃないんだ