まるで少女みたいに恋をする

毎日は優しい奇跡で溢れてる 一緒に奇跡を見つけませんか

あの頃みたいに




朝の空気が好き



起きたら自転車にまたがって

思い切り風をあびて走った



あの頃





大好きな男の子に
大好きと言って


あの子の隣の席に座らせてくださいと


先生にお願いしに職員室へ行った
幼い わたし





先生   笑っていたっけ




隣の席に座れたかどうかは
覚えていないけれど

大好きなあの男の子は
わたしにとっても優しかった

わたしは初めて
男の子と毎日遊んだ

毎日毎日 日が暮れるまで遊んだ




ある日

男の子のお誕生日に呼ばれた


お誕生会なんて
素敵なイベントがあることに
わたしはびっくりして ときめいた

プレゼントに

大好きなイチゴのチョコを
お母さんにねだって買ってもらった



ものすごく楽しみにして


イチゴのチョコを抱えて


遊びに行った男の子の家には


何人もの知らない子が来ていた



親戚なのか
幼なじみなのか

可愛い服を着た子が何人もいて

広い居間の立派なソファーに
小さな私達はみんな座らされた




お誕生日おめでとう


みんなが口々に言葉をかけ

プレゼントを出した





プラモデル?

ブロック?

車のおもちゃ?

本?





わからないけれど

他の子のプレゼントはとても大きかった





わたしの順番がきて


テーブルの上にチョコを置いた





お誕生日   おめでとぅ…




ハキハキしてるねー
よく誉められたわたしが

小さな声でやっと言った




チョコは

みんなの大きなプレゼントの上に
乗せられて

恥ずかしそうに

ポトッと   落ちた






あれは


わたしが生まれて初めて感じた

恥ずかしさ

だったのかもしれない






誰も
チョコを笑ったりしなかった


わたしが勝手に惨めになったの

きれいな服を着た子供達の中で


わたしだけ違う
って
悲しくなったの






わたしは



その後



男の子と遊ばなくなった








恥ずかしいね と
自分が勝手に貼った自分のラベル


そんなものは   何にもなかったのに






笑ってチョコを出せば良かった

一生懸命 働いたお母さんが
わたしの友達の誕生日のために
わざわざ買ってくれたチョコだもん



男の子は喜んで

わーい
このチョコ大好きなんだーって

自分のお母さんに見せていた事





いま




思い出した









わたしが隠したい思い出や

ひとに話せない 影の部分は

わたしが作り上げた

ただの  幻なのかもしれないね





恥ずかしくなんてないし



恥ずかしくてもいいし



あの頃みたいに



好きなものを好き   と言える



わたしに戻ろう




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他の誰かと比べないで



わたしだけは



わたしのことを