ここにある 大切なもの
寒いさむい冬だから
近くの温泉へ向かった
小さな子もお婆ちゃんもいっぱい来てる
なんにもない日曜日は
ここでのんびりするのがわたしの小さな幸せ
春を感じて
夏を楽しんで
秋に魅せられて
冬
寒いさむい 今日
ちょっと迷ったけれど
露天風呂へのドアを開けると
湯けむりで空しか見えない
青いあおい 空
私とすれ違いに出ていく若い女の子の体から
湯気がいっぱい出てる
色っぽいな
くすっ と にやけちゃう
小さな子が二人
露天風呂のまわりの雪で遊んでる
裸で
寒くないのかな
寒いだろうな
寒い以上に楽しいんだね
もう
そんなことは
あんまり ないよ
寒いならやめよう
いつからそんな風に生きるようになった？
寒くても苦しくても大変でも
やりたいことのために夢中になってしまう
それが生きるってことなのにね
子供を見守るお母さん達は笑ってる
冬休みのいい思い出になるねって
お母さん同士でお喋りしてる
子供達は雪をアイスクリームに見立てて
はしゃいでる
パパが待ってるからもう出るよ
お母さんの声に
慌ててお湯につかる子供達
頭がキーンとなるほど寒い露天風呂の中での
あたたまる風景
目の前がうっすら滲んだ
幸せは
なんでもないここに ある
裸の私の
なんにも持ってない私の
ここに
ある
湯けむりの中で見つけた
大切な大切なもの
あったかいお湯につかりながら
もっともっと
わたしらしく生きていこうと
りん と
空を 見上げた
冬 の 日曜日
心が澄んだ 日曜日
