奇跡を見つけた
お休みの土曜日
朝早く友達と待ち合わせして美術館
9時半だって
はやすぎるー
なのに
もう満員なの
コミコミなの
美術館ってすごいね
一時間で見終わったわたし達
まだどこも開いてなくて
そばにあった小さな喫茶店に入った
モーニングのメニューを見ながら
すみません
モーニング以外もできますか?
できますよー
ちょっとお時間いただきますけど
優しいお姉さんの声が
小さなお店の中に響いた
わたしはツナサンド
友達はドリア
久しぶりに会った彼女とお喋りに
夢中になっていると
お待たせしました
ツナサンドが運ばれてきた
え?
なんか
すごく美味しそうなんですけど
まず珈琲
うーん
おいしーい
そして
ツナサンドひと口
え?
なんでなんで?
なんでこんなに美味しいの?
バターの加減も
マヨネーズの加減も
パンの柔らかさも
珈琲の酸味も苦味も
わたしの好み100%
友達が
友達の友達の話をし始めたけど
ツナサンドが美味しすぎて
なんにも耳に入らない
このパンは買ってきたものかしら
このツナはわたしの家にあるのと
おんなじ缶詰かしら
なにもかもが美味しい
美味しい
を
わたしにプレゼントしてくれた
今日という時間と
この小さな喫茶店と
ツナサンドを作ってくれた店員さんと
目の前で喋ってる彼女と
美味しい
を
こんなに感じられる自分に感謝して
ありがとう
ごちそうさま
ただ
美味しいだけなんだけど
よく考えたら
この瞬間の すべてが
奇跡
奇跡は
自分が見つけるもの