雨の緑陰
夏の始まりの旅は
雨
雨だから
緑が鮮やかだった
雨だから
あなたと一つの傘を差して歩いた
雨だから
あなたに聞こえないように
好きだよ
って
呟いてみた
雨の音に消されるわたしの声
青空の下で笑いあえる旅も
幸せだけれど
こんな雨の旅だから
あなたがもっと愛しくなる
あなたのことがこんなに愛しいわたしが
もっと大切になる
雨の緑陰
いつまでも
あなたとこの雨の中を歩いていたい
雨が上がっても
ひとつの傘を差して
よりそって
歩こう