八月は緑の森の中
ついこの前始まった夏が
静かに終わっていく
毎日子供みたいに遊んだ
旅にも出かけた
いっぱいはしゃいだ
いっぱい笑った
八月
いろんな事があったのだけれど
思い出すとすべて遠くて
むかし見た映画のワンシーンみたいに
はかなげに甦るだけ
あなたと歩いたあの道は
まだ
世界に在るのだろうか
そんな不思議な感覚が
胸いっぱいに広がる 八月
綺麗な綺麗な 夏 だった
八月は緑の森の中
わたしはそっと宝物を埋めて
街へ 還る
埋めた夏の思い出は
緑の森の木になって
いつかの夏にきっとまた
わたしのことを
呼ぶでしょう