おまかせの法則

一月二日からむかついた

一緒に出かけようって約束したのに

二日酔いになったあなたからは

メールも来ない

今日は東京から友達が来てるから

三人で飲もうね

って言ったよね

わたしの友達だから

あなた関係ないかもしれないけれど

でも

わたし楽しみにしてたんだ

むかつく

むかつく

むかつく

むかつく

せめて

ごめんねメール出来ないかな

第一

二日酔いになるくらいまで飲むなよ

そりゃあ二日酔いは辛いし

わたしだって

そこまで飲んじゃう事はあるけど

普通夕方までには治るでしょ

あれ？

もしかして行きたくないの？

わたしの友達に会いたくないの？

それとも

昨日わたしがあなたの前で喋った

あの話 怒ってるの？

あ

やめよ

いま目の前にある現実は

あなたが二日酔いになってる

それだけ

わたしはむかついている

それだけ

よし

わたしの気持ち良くなる事をしよう

部屋を片付けて買い物に出た

お正月なのに

揃えていなかったものを買って

もう一度お正月気分を味わった

箱根駅伝を見ながら

美味しい珈琲を飲んだ

いちばん好きな服を着て

丁寧にメイクした

友達との待ち合わせ場所に行く頃には

すっかり気分も和らいで

乾杯したビールは美味しくて

二人きりじゃないと話せない事を

いっぱい喋った

友達と別れる頃には

ふんわり酔いがわたしを包んで

楽しい

懐かしい

友達へのありがとうが溢れていた

むかついていたわたしは

おんなじ現実の中で

いま

幸せを感じている

思い通りにならない事は

たくさんたくさんあるけれど

余計なものをまとわりつかせずに

わたしのご機嫌だけを大切にする

わたしのご機嫌とる以外は

何でもいいどうでもいい

おまかせの法則

いちばん簡単な   わたしの幸せの法則

地下鉄に揺られて家に帰って

あったかいお布団にもぐりこんだ時

あなたからのメールが鳴った

やっと良くなってきた

今日はごめんね

ほら

明日もきっと

優しい日

 

いつだって

わたしの世界は

わたしが真ん中