クリスマスが近づいてる街
なんだか最近あなたとうまくいかない
そんな気分で沈んだ夕暮れ
一人であなたを待つ 夕暮れ
混み合うスタバの片隅
紙コップはクリスマス模様
まだ11月
だけど
街にはクリスマスが近づいている
あなたからのメールは来ない…
いっただきます!
大きな声に思わず横を見ると
隣に座った若い男の子が
両手を合わせてから
サンドイッチを食べ始めた
挨拶なんてしなさそうな彼なのに
微笑ましくて 笑っちゃう
彼の向かいに座る
おとなしそうな彼女は
静かにラテを飲んでいる
ひと口食べる?
彼が差し出したサンドイッチを
恥ずかしそうに口に入れて
やっべ まじうめー
思わず 珈琲を吹きそうになる
やんちゃに見える彼は
いただきます
と手を合わせて
おとなしそうに見える彼女は
やっべ まじうめー
なんだ
そんなものだよね
わたしの見ている世界はそんなもの
わたしが見たいように見ているだけ
このクリスマス模様の紙コップを見て
街にクリスマスが近づいていると
思い込んだけど
まだまだ
周りには
クリスマスなんて
始まっていなかった
あなたが最近冷たいのも
疲れてるだけかもしれない
風邪をひいてるからかもしれない
わたしの見る目が
今までと違うのかもしれない
ちょ
まじこんな時間っ‼
急げっ
彼女が彼をまくしたてて
慌てて立ち去る後ろ姿を見送りながら
急がなくても
クリスマスは
まだ
まだだよ
そう
呟いてみる
あなたからのメールが鳴った
どんな世界が 見えますか
それが
自分で選んだ 世界です