赤い電話ボックス
雪が降ると
あなたに電話をかけたくなる
あなたの声が聞きたくなる
毎日泣いていたね
寂しくて震えていたね
誰かの前では笑顔を作り
元気な振り していたね
心を見せるのが怖かった
優しくされるために優しくしたり
愛されるために我慢したり
ねぇ
優しくして
って言っていいんだよ
我が儘でも
ちゃんと愛されるんだ
寂しい
って
傍にいて
って
大好き
って
言っていいんだよ
そんな話を
いっぱいいっぱいあなたに伝えたいから…
ふと目に止まった
赤い電話ボックスに入って
受話器を握り
硬貨を入れて
番号を押したけど
もう使われていない電話番号
馬鹿ね
昔のわたしが
電話に出るわけないでしょ
今のわたしが伝えたいことを
昔のわたしは知らなかったから
今のわたしが
ここにいる