さよならからまた始まる
日曜日はいつも一緒
久しぶりに列車に乗って
あなたと海が見える街へ向かった
もう冷たい風に震えながら
二人で歩く
寒いねー
って言いながら二人で歩く
それだけでどこまでも歩ける気がした
だけど
いつか一緒に歩けない日が来るのかな
毎年必ず
二人で来ようと決めてる街に
いつか
来られなくなる日が来るのかな
一緒にいても寂しくて
声出して笑いながら涙が滲む
いつか
の事を考えるより
優しい
今
を感じよう
そんなのわかっているんだけれど
寂しい気持ちが溢れるのなら
寂しさをちゃんと受け止めて
寂しいなぁ と思いながら
あなたの手をぎゅーっと握る
寂しさはなくならないけれど
寂しくてもいいんだ
って安心する
そんな気持ちを身体中に満たしながら
一緒に過ごす日曜日
ご飯を食べて
ライブを見て
すっかり暗くなった帰り道
いつもなら
あなたが車で送ってくれるけど
今日は列車だから別々だね
同じホームで
あなたは右へ
わたしは左へ
先にやってきた列車に乗ったあなたが
振り返って手を振った
わたしも
と手を振った
あなたの姿はすぐに
人混みにかき消されたけれど
といつまでも手を振った
列車が小さくなり見えなくなっても
いつまでもいつまでも手を振った
手を振るたびに
寂しさが
減っていく
なんだか
ふんわり優しくなった
右手がポカポカあったかくなった
さぁ
帰ろう
今日のさよならは
次に会える日への
始まり