昼下がりひとりきり
仕事が終わって
次の仕事に移動するまで一時間
そばに喫茶店はあるけれど
リュックの中に
朝慌てて作ったお握りがひとつ
そうだ
青空の下
公園のベンチに座って
お握りを食べよう
風が涼しい
空が拡がる
みんな
ベンチに座ってゆっくりゆっくり
本を読んだり
珈琲飲んだり
8月の昼下がり
何人も何人も
わたしの前を通り過ぎるけれど
ひとりきり
隣のベンチでは
恋人未満友達以上の二人が
仲良くお喋りしてるけど
ひとりきり
昼下がり
あぁ
世界はきれいだなぁ
そんな気持ちをからだいっぱいに
吸い込んで
今までのことも
これからのことも忘れて
今
わたしの心を満たしていく
静かな輝きだけを感じる
世界は
きれいで
わたしの命が
溶けていく 空
眩しいのは
太陽のせい
だけじゃない