どんなところにも愛がある

なんだかすごく疲れてしまって

早めにお布団にもぐり込んだ夜

うとうとしてたら

息子が彼女を連れて帰ってきたらしい

寝室のドアを閉めてるから

よく聞こえないけれど

仲良く話してる

二人の笑い声が聞こえる

息子はとても優しい子で

彼女もふんわりおっとりしてるから

ケンカなんてしないんだろうな

わたしが息子の年の頃は

傷つくような恋ばかりしていたな

暖かく笑える恋じゃなかったな

そんな事考えてるうちに

うとうとしてたらメールが鳴った

おやすみなさい

大切なひとから…

おやすみなさい

だけじゃ寂しいから

ほんの少しの言葉をつけて

ラインを返した

すぐ

また返事がきて

すぐまた返事を返した

すぐまた

返事がきて

すぐまた返事を返した

一緒にいない夜も

安心していられるひとと出会えたのは

初めてかもしれないね

何回も恋をして

ようやくたどり着いた場所にいるわたし

たった一度か二度の出会いの中で

最高に愛しいひとを見つけて

守ろうとしている息子

どんなところにも  愛は生まれて

ちがう形で育っていくけれど

みんな

みんな

こうして胸にひろがる想いを

暖めて

抱きしめて

生まれてきて良かった  と思う

このひとに

出会えて良かった  と

ラインしながら

いつのまにか眠ってしまった

わたしの隣の部屋で

二人の笑い声は続いてる

よく

巡り会えたね