まるで少女みたいに恋をする

毎日は優しい奇跡で溢れてる 一緒に奇跡を見つけませんか

二日酔いなのに幸せなんだ



飲み過ぎて頭が痛い

そうだ
久しぶりに熱燗なんて飲んじゃったんだ

熱燗は
大好きだけど
残るから普段は飲まない



でも昨日は


特別





一昨日
東京から戻ったわたしを待っていたのは
息子との喧嘩

めったに怒らない彼が声を荒げた

わたしも悪かったけど

ひどく悲しかった


やっと元気になり
やっと再就職できて
前と違って何でも話せるようになったのに

こんな風に怒る彼を見たら
本当にただただ

悲しかった


もう

止めよう


わたしのためにだけ生きよう


彼は大人だ



わたしがお世話しなくても
可愛い彼女もいる
仕事もある
大丈夫



わたしは


わたしのことだけ考えよう


そんな思いでお布団にもぐり込んだ
悲しくて涙も出ずに
疲れきってすぐに眠った


どれだけ眠ったかしら…


朝 目が覚めると
もう息子は出かけていた


いつも通り部屋を片付けて
いつも通り仕事をして
いつも通り家に帰ろうとしたけれど
息子がわたしに会いたくないだろうな
と思って
よく行くお店でビールを飲んだ

少し酔っ払ってきて
陽気な仲間がいてくれたこともあって
楽しいおしゃべりしながら
わたしの中に
ふっ    と   息子への想いが拡がった



あの子
いま  やっと怒れるように なったんだ


ずっと寂しい気持ちを我慢して
ずっといい子でいてくれて

そんな息子が
去年の秋に初めて弱音を吐いて

でも
その時でさえ
彼はいい子だった



そうかぁ

あの子

もう我慢しないで生きていけるんだ



わたしは嬉しくなって
息子にメールした


昨日はごめんね


すぐにメールが返ってきた


こっちも悪かったよ




あんなに悲しくても泣かなかったのに
メールの文字が涙で滲んだ



我慢して生きてきたのは
わたしも同じ
頑張ってこなきゃ
わたしも息子もここまで来られなかった

だけど
もしかしたら

頑張らなくても
誰か助けてくれたかもしれない

頑張らなければ
息子はもっともっと私としょっちゅう
喧嘩できたのかもしれない


わたしも

あの子も

大変だったね



もう
大変  と   お別れしようね



久しぶりに頼んだ熱燗を
ゆっくりゆっくり飲みながら

気持ちがふんわり温かくなったのは

きっと


お酒のせいだけじゃない




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飲み過ぎて頭が痛い


二日酔いの今



でも


二日酔いなのに


幸せ なんだ