はるか彼方の 街にいる私

世界にたったひとりの私

じゃない気がしてた

ずっと小さな頃から

どこかに私はいる

おんなじ私でおんなじ年で

でも違う世界を生きているはず

その私は

普通に結婚してるかもしれない

働き者の頼れる人と

あったかい家庭を作り

たくさん子供を育てて

賑やかな笑い声が響く毎日

時々  ふっ と

ひとりの時間がほしくなるけど

子供達の寝顔を見ていると

これでいーの

この毎日が必要なの と頷くでしょう

また別の私は

バリバリ仕事をして

キャリアを積んでいるかもしれない

朝から夜まで忙しくて

眠る時間も短くて

でも仕事で出した成果と

信じてくれている何人もの部下が可愛くて

パワフルに飛び回る毎日

時々  ふっ  と

穏やかな日常を送りたくなるけれど

これでいいの！

私の選んだ道は正しかったの！と

自信に満ち溢れているでしょう

そして

また別の私は

穏やかに暮らしているかもしれない

広い庭に色とりどりの花を咲かせ

夜明けに起きて

美味しいお茶を淹れて

あなたをそっと起こすでしょう

時々 ふっ と

他の誰かを思い出すけれど

目が覚めたあなたが

おはよう と言ってくれる朝

これでいいの

このぬくもりが大切なの と

あなたの胸に顔を埋めるでしょう

はるか彼方の街にいるわたし

あなたは

きっと幸せでしょう

はるか彼方の街に住むわたしが

幸せなように

この わたしも

幸せです

一生懸命 生きてきた

一生懸命 日々を重ねてきた

足りないものはいっぱいあって

時々 違う自分になりたくなって

落ち込んで前に進めない日も

しゃがみこんで

自分を責めたい夜もあるけれど

それでも大切なわたしだけの毎日を

一つ一つ丁寧に生きてきた

何もかもうまくいく事が

素敵なんじゃなくて

うまくいかない事も受け取って

晴れも雨も風も雪も

全部受け取って生きていく事

この わたしは

そんな風に生きています

はるか彼方の街にいるわたし

会えることはなくても…

やさしく

深く

生きていきましょう

暖かく柔かく

微笑んで

生きていきましょう