えばた くん

えばた くんは

息子の友達です

中学の同級生です

おんなじバドミントン部です

中学生の頃はよく遊びに来てたなぁ

高校生になって

あんまり 家には来なくなったけど

息子とは仲良しで

連絡を取り合っているのは知っていた

大学になって

社会人になって

息子が

仕事をやめなきゃいけなくなって

こんなに辛そうな息子を見るのは

初めてで

私もどうしていいかわからない時に

ひょっこり

えばた くんは 現れた

お久しぶりですっ

明るい笑顔で 現れた

えばたーっ

久しぶりだねー

はい！

ニコニコ

今日はご飯

食べていきなよっ‼

えっ！いいんすかぁ？

ニコニコ

お鍋にするね

楽しみだなぁ

ニコニコ

ビール飲む？

うわっ

いただきまーす

ニコニコ

ちょっとしんどかった

私と息子の空間が

ぱあーっ  と  明るくなる

大丈夫大丈夫

たいしたことない

そう言って

えばた くんはニコニコしてる

好き嫌いなくて

出したものは全部食べてくれて

息子のとなりに薄い布団敷いて

昼過ぎまでグーグー寝てる

起きてくると

おはようございますっ

大きな声で挨拶するけど

えばたー

もう昼過ぎだよ

私は心の中でくすくす笑う

うなだれて

しんどくて

立ち直れない息子の隣で

ピコピコゲームしながら

ニコニコしてる

大丈夫大丈夫

たいしたことない

バドミントンしに行こう‼

息子を誘って連れ出して

前みたいに楽しめない息子が

つまらない帰りたい

と言っても

大丈夫大丈夫

たいしたことない

やっぱりニコニコして

息子を連れて帰ってきてくれる

えばた くん

そうだよね

たいしたこと  ないよね

いま

わたしの息子が

あまり笑わなくなって

溌剌とできない日が続いても

そんなの

たいしたこと

ないよね

だって

人生はこれからだもん

今日も

みんなで食べるお鍋は美味しいもん

ありがとう

きみの変わらない 笑顔に

どれだけ

わたし  癒されたかしら

息子がしんどい思いをしたことは

悲しい出来事だったけど

君が息子のために駆けつけてくれて

わたしが仕事の時は

泊まってくれて

息子のそばにいつも いてくれて

ありがとう

ありがとう

友達って

こんなに あったかくて

こんなに

素敵なんだ

えばたー

大物になるよー

わたしが言うと

やめてくださいよ

俺なんかぁ

って

笑うけど

君は

私と息子のヒーローだよ

もう

とっくに    大物   だよ

君と 息子 の   明日はきっと

まぶしい光が 

溢れてる