まるで少女みたいに恋をする

毎日は優しい奇跡で溢れてる 一緒に奇跡を見つけませんか

小さな火傷




夜は珈琲を飲まないようにしてる


眠れなくなるわけじゃなくて
入れるのがちょっと 億劫なの

夜は
自分のための 時間

一日
走り回った 私に
動かない時間をあげたい

心を込めて丁寧に入れる珈琲は
朝の香りだから
夜じゃない


夜 じゃないけど


今夜は

珈琲
飲みたかったの



疲れすぎてて

明日は朝 ゆっくりだし

お酒は控えたいし


好きな音楽 聴きながら
ゆっくり珈琲 飲みたかったの


しゅんしゅんお湯を沸かして
少しずつ少しずつ
フィルターに
お湯を注いで


ちょっと
横を向いたその隙に

左手の薬指に
熱いお湯が かかった


あっつぃ


慌てて 水で冷やす


ジャージャー水をかけて
真っ赤な薬指を 冷ました


薬指を見つめながら


心のどこかが
カタン
と壊れた


入れかけの珈琲は
じっ
とうずくまってる





疲れているんだ


わたし…




がんばりすぎたんだよ

がんばらなくていいんだよ




でも

頑張る自分が好き


頑張らない自分を好きになりたくて
頑張ってみたけど



頑張らない自分って
よくわからないまま
頑張らないように頑張ってる


小さな火傷は
ヒリヒリしながら


無理するなよ
って言っている


頑張っても
頑張らなくても


あなたがいないと
私も存在しないよ


って言っている




いつもは忘れている
薬指
さっきからずっと気にしてる
火傷した薬指


そんな風に


痛まないと

忘れてしまう事がある


痛むからこそ


ここにいたんだっ て



わかるものが ある





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痛い 時は 思い出す時


忘れてしまった



大切な ものを






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