夏のページ
夏 が 始まった
ちょっと
出かけてきます
海が見える街に行きます
旅
じゃないです
海が見える街に住みます
あたらしい人と出会い
あたらしい仕事をして
あたらしい毎日を送る
この夏
でも
帰ってくるから
必ずここに
戻ってくるから
寂しい時は
歌って
一緒に歌った
あの歌を
せつなくなったら
眠って
夢のなかで
声たてて二人で笑おう
わたしは元気で
いっぱい笑顔で
いっぱい喋って
明るくなって
真っ黒になって
お魚みたいに
跳び跳ねて
ひとりの夏を過ごします
距離は
二人を遠ざけるけど
距離は大切なものを
近づけるはず
ポケットに入れたまま
忘れていた小さな貝殻も
耳をあてると
波の音が聞こえるでしょ?
そんなふうに
離れていても
想いは
消えない
そして
夏のページを
かさねたら
またこの街で…
一緒に歌を歌いましょう
あなたのとなりで
声たてて
笑いましょう
夏が始まった
いつもとちがう
夏