まるで少女みたいに恋をする

毎日は優しい奇跡で溢れてる 一緒に奇跡を見つけませんか

希望

 

朝起きて満員電車に押し込められて

仕事して怒られて

たまには怒る役目になって

クタクタに疲れて家に帰る

 

それでも

家の灯りを見たらホッとする

 

おかえりなさい

優しい声と暖かい部屋

 

ビールを飲んで

テレビ見て一日が終わる

 

また明日もおんなじ繰り返し

 

それでも

 

こんな毎日も悪くないな

なんて思ってた

 

 

でも

 

 

 

 

新しい扉が開いた

 

 

 

 

もう満員電車乗らなくていいよ

 

もう

本音じゃない言葉言わなくていいよ

 

学校も会社も行かなくていいよ

 

 

楽しいことやろう

大好きなことやってみよう

 

 

お金があってもなくても

生きていける世界の扉が開いた

 

 

何かにすがるのではなく

誰かにもらうのでもなく

 

考えて

考えて

 

自分にしか出来ないこと

 

 

 

不安も恐怖も手放して

 

 

きっと

未来の世界は知っている

 

 

 

いま起きていることが

絶望ではないこと

希望に向かって舵をとっていけること

 

 

 

 

この綺麗な地球に生まれてきた

わたしたちは

 

 

そんなに

 

 

 

弱くない

 

 

 



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大丈夫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨の遊園地

 

遊園地に行きたい

 

そんな気持ち忘れていた

 

 

でも

たまたま遊園地の傍のホテルに泊まって

 

 

ねぇねぇ遊園地に行こうよ

 

 

入場券を買わなくても中には入れたから

遊園地の中を二人で歩いた

ジェットコースターや

メリーゴーランド

バイキングにウォータースライダー

 

キャーキャー言いながら乗ってた頃の

昔話しながら

ゆっくりゆっくりあなたと歩いた

 

 

高校生の頃ね

このへんでデートしてたんだ

あなたが言う

 

へー  何に乗ったの?

 

お金がないからさ

遊園地に入って歩いただけ

そばの公園のベンチに座って

お喋りして終わり

 

ふぅん・・・

 

無口なあなたは高校生の時

いったい何を喋ったんだろう

 

その頃わたしもこのあたりにいて

もしあなたと出逢えたら

あなたはわたしを選んだのかしら

わたしもあなたを好きになったのかしら

 

 

ううん

 

 

大人になってから巡り逢えて

だから

今この時間がある

 

 

 

小雨が降ってきて

遊園地を見下ろせるカフェに入った

大好きな白玉ぜんざいがあって

テンションあがるわたしの横でも

あなたは変わらず無口なまま

 

 

いつもお酒飲んでる二人が

珈琲とぜんざいなんてなんだか笑っちゃう

 

 

遊園地を見下ろしながら

 

 

まだ何にも乗ってないけど

 

 

 

 

来て良かった

 

 

 

あなたと来て   良かった

 

 


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珈琲を飲み干して外に出たら

 

 

雨は

 

すっかりあがっていた

 

 

 


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ばいばい

 

 

なんにも乗らなかった

それでも幸せだった

 

 

遊園地

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろんなことがあっても世界は優しい

 

 

 

旅に出た

 

 

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もう真っ暗になった空を見ながら

冬の列車に飛び乗って

出来れば夕焼けが見たかった

なんて思いながら

窓に写る缶ビールをじっと見つめて

 

旅に出た

 

 

 

 

母が倒れたのは1ヶ月以上前

最初はただの骨折だったのに

どんどん悪くなって

集中治療室まで運ばれて

何本も管が体に通された

 

ばあちゃん危ないからっ

 

慌ててやって来た息子に

母は笑顔で言った

 

ばあちゃんもうきっと煙草吸えないから

ばあちゃん家にある煙草

帰りに寄って持ってきなさい

 

そんな言葉聞いたら

わたし涙でぐしゃぐしゃになる

 

お母さん

もう一度煙草吸おうね

お家に帰ろうね

 

 

その言葉どおり

 

 

母は奇跡的に回復して

さすがに煙草は吸えないけれど

退院できるかもしれない

 

でも退院しても介護はきっと必要で

今までのようにはいかないよね

 

 

そんな気持ちのまま

 

旅に出た

 

 

列車はゆっくり走る

ゆっくりに感じるだけなのかな

 

隣の席は空席で

通路の向こうに座ってるおじさんは

ホットゆずレモン飲んでいる

 

音がしないように

そっと缶ビールを開けた

 

美味しい…

 

 

いろんな事があったこの一カ月

母の事だけじゃなく

ものすごくいろんな事があった

帰ってからも

やらなきゃいけない事はいっぱいあって

考えると少し憂鬱になるけれど

いまは

 

冷たいビールと

 

ガタンゴトン

 

列車のリズムと

 

待っている友達の笑顔が浮かんでくるから

 

やっぱり

 

旅に出て良かった・・・

 

 

 

 

いろんな事      あるよね

 

生きてると

 

 

 

辛い事も

逃げたくなる事もあるよね

 

 

 

だけど

わたしがわたしを大切にしてあげる限り

きっと世界はわたしに優しい

わたしがわたしを幸せでくるんだ分だけ

きっと世界はわたしを幸せにしてくれる

 

 

そう信じて

 

 

眠っていても

列車が目的地に運んでくれるように

 

もがいたり焦ったりしなくても

ちゃんと行きたいところに運ばれていく

 

 

わたしたち

 

 

みんな

 

 


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次の日の夕焼けは

 

こんなに綺麗だった

 

 

 

 

ほらね

 

 

 

 

 

 

 

 

聞いてる?

 

紅葉にはまだ早いかな

と思ったけれど

 

あまりに疲れていて

自然の中で思いきり深呼吸したくなった

 

やらなきゃいけないこと

やらなきゃいけないこと

やらなきゃいけないこと

せかされて焦らされるけれど

他の誰かでも出来ることを押しつけないで

わたしには

わたしにしか出来ないことがあるの

 

 

そんな想いで体中がいっぱい

 

 

あなたが運転する車の助手席で

ポツンポツンと愚痴ったけれど

なんにも答えない

黙ってハンドルをきってるだけ

 

 

聞いてる?

 

 

 

トンネルを抜けて

 

トンネルを抜けて

 

何個目のトンネルを抜けたでしょう

 

 

目の前に

 

 

ぱあーっと紅葉が拡がった

 

 

緑の中に

黄色

茶色

真っ赤

 

 

きれいだね

 

 

あなたが言う

 

 

 

きれいだね

 

 

わたしが言う

 

 

 

そして

 

車から降りて

 

二人で紅葉を見つめた

 

黙って紅葉を見つめた

 

 

 

 

 

 

そうかぁ

 

 

心に何かを染み込ませる時

 

ひとは黙ってしまう

 

言葉に出来なくなる

 

 

 

わたしの話になんにも答えなかったのは

 

わたしの話を

ちゃんと聞いてくれてたのね

 

 

 

寒い…

わたしの言葉で車に戻った

 

車の中はあたたかくて

あなたの笑顔もあたたかかった

 

もう

 

大丈夫

 

 

 

聞いてくれるひとがいる

 

 

それだけでもう大丈夫

 

 

 

黄色

茶色

真っ赤

 

 

わたしはどの色で咲くのかな

 

 

 

どこにいても

どんな場所でも

 

 

わたしらしく

 

歩いていこう

 

 

 


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新しい明日

 
 
たくさんの煩わしいことに
囲まれながら
 
なんて
 
爽やかな朝
 
 
思い出すと
どんよりする事だらけなのに
風が部屋の中で踊る
カーテンがふわりと舞い上がる
空が青い
ううん
蒼い
 
深呼吸すると
からだいっぱいに
夏の終わり
 
 
 
生きていれば
 
 
嫌なことも
悲しいことも
惨めなことも
やりきれないことも
 
あるけれど
 
 
どんなことがあっても
 
 
幸せを感じる心は無くならない
 
 
 
真っ暗闇で不安にがんじがらめになる夜にも
必ず朝が来るように
 
小さな自分を抱きしめて
大きな世界に羽ばたこう
 
 
 
さよなら
さよなら
 
怯えていたわたし
 
 
 
もう
 
逃げないよ
 
 
 


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新しい明日を見たいなら
 
勇気を出して
 
 
いま
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

夕暮れブランコ

 

お昼寝から目が覚めたら

なんだか息苦しくて

部屋の中の空気がうまく吸えない

 

あれ

あれに似てる

 

酸素が少なくなった水槽で

口だけ水の上に出してパクパクしている金魚

 

あわてて前髪をピンで止めて

ジーンズをはいて外へ飛び出した

 

会社帰りの人にさからって

ゆっくり歩く

深呼吸しながら

 

夕暮れが始まって

向こうの曇り空もほんのり赤くなる

 

 

やっぱり

 

ちゃんと歩けない

 

 

公園のベンチに腰かけて

ふと横を見ると

 

 

ブランコ

 

 


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だあれもいない

 

ブランコは待っているのに

 

 

そっ  と腰かけて

ゆらゆら

揺れてみた

 

 

一回

二回

小さく揺れるブランコ

地面を蹴って

三回

四回

 

 

ちっぽけなわたしも

ブランコに乗ったら空まで届きそう

緩い風が強くなって体に当たる

ノースリーブの肩が冷たくて

反対に頬が赤くなる

 

小さい頃は毎日乗っていたブランコ

なんにも考えず楽しくて

思いっきり漕いで鳥になった

思いっきり漕いで光になった

 

 

あの頃

 

空気

 

美味しかったなぁ

 

 

 

やっと静まった息苦しさにホッとしながら

ブランコから見える街を見渡してみる

 

それぞれの家に灯りがともり

開け放たれた窓から子供の笑い声が聞こえる

これからみんなで夕ごはんかな

 

みんなみんな

優しい夜を過ごせますように

 

 

 

 

さぁ

 

 

帰ろう

 

 

 

わたしだけが待ってる家へ

 

 

 



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ただいま

 

 

おかえり

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

亀は万年

 

亀がほしい

息子がおねだりしたのはいつだったかしら

 

ある日三匹の亀をおみやげに

お爺ちゃんが遊びに来た

 

心のなかで

わぁいらないのに

と思ったけど

ありがとうございます!と

笑顔で亀達を受け取った

三歳の息子は大喜び

一週間くらいね

 

 

水槽の中にじっとしてるだけの亀に

息子はすぐに飽きて

話しかけもしなくなる

 

当然 亀のお世話係はわたししかいない

餌をやって

お水を替えて

ふぅ

ちゃんとお世話したつもりだったけど

すぐに二匹は天国に召されてしまった

息子は泣きもせず

もちろん残った一匹を

可愛がることもせず

変わらずわたしは亀のお世話係

 

亀はどんどん大きくなり

息子もどんどん大きくなって

今度は犬がほしい

と言い出した

犬ならわたしもほしい

 

我が家に仔犬がやって来た

 

仕事して

息子を育てて

犬のお世話してたら

一日はあっと言う間

 

亀はだんだん忘れられていく

 

もちろんご飯もあげたしお水も替えた

たまに見つめると

嬉しそうに寄ってくる

可愛くないわけじゃないけど

可愛くてたまらないわけじゃない

 

それでも亀はどんどん大きくなって

水槽が狭くなってきた

大きい水槽に移してみたら

また亀はどんどん大きくなって

水槽が狭くなる

 

亀って水槽大きくすると

それだけ大きくなるのよ

 

友達の言葉を信じて

それ以上大きな水槽には移さなかった

 

でも亀はどんどん大きくなって

水槽が窮屈そうになってきた

 

そんなある日

近所のおばさんが家に遊びに来た

そして亀をじっと見て

可愛いねーと言った

 

良かったらあげますよ

わたしが言うと

えっ!本当?

 

えっ!本当に?

びっくりしたのはわたしだった

 

ごくごく普通のミドリガメですよ

 

いいのいいの亀好きなのよそれに…

 

 

おばさんは遠慮がちに言った

もっと大きな水槽で育ててあげなくちゃね

 

 

動物好きで有名なそのおばさんに

亀はもらわれていった

息子はふーん良かったじゃんと言った

わたしは亀の水替えから解放されて

ホッとした

 

我が家にいるより幸せだもん

 

さよなら

だあれも名前をつけなかった亀

可愛がられるんだよ

バイバイ

 

 

道でたまにおばさんに会う

亀元気よっ

すごく可愛いの‼

 

酸素付きの大きな水槽を買って

餌は鳥のささ身を食べさせてるらしい

 

我が家では

亀のえさ

を食べさせていた

 

あぁ

幸せになったんだね

 

 

そのうち

噂が聞こえてきた

 

あのおばさん

亀を散歩させてたよ

 

亀の首に紐をつけて

お散歩させてくれてるらしい

 

亀ってのろいんじゃないのか

散歩ってどうやるのかしら

でも甲羅干しにはいいのかも

 

不思議だったけど

まぁ亀は幸せなんだろうと思った

 

何ヵ月かして

また道でおばさんに会った

 

亀元気よー!

すっごく可愛いの‼

 

聞くと

 

 

夜一緒に寝てるらしい

 

 

亀って

 

お水から出していいのか?

 

 

この前は生ハムをあげたのよ‼

 

 

亀って

塩分あるもの食べさせていいのか?

 

 

 

ある夜       夢を見た

 

亀が我が家に戻ってきていた

狭くなったあの水槽の中で

亀は元気に泳いでいた

泳ぐほどのスペースもそんなにないのに

元気いっぱい泳いでいた

 

わぁ亀

家に戻ってきたんだね

そう言ってわたしが近づくと

亀はわたしの方に顔を向けて

嬉しそうに本当に嬉しそうに

わたしの顔をまっすぐ見ていた

 

変な夢・・・

 

 

元気かなぁ

 

 

 

道でおばさんに会った

久しぶりだった

 

おばさんはわたしを見ると駆け寄ってきた

 

 

亀          死んじゃったのよ

 

え?       いつですか・・・

 

 

 

ちょうどわたしが亀の夢を見た頃だった

 

 

 

亀は帰りたかったのかな

狭い水槽でただじっとしている毎日で

毎日おんなじ亀のえさを食べて

それでも

小さな頃から聞こえていた

わたしの声を聞きながら

息子の足音を聞きながら

亀は

 

育てられた家に

 

帰りたかったのかな

 

 

 

亀を大切に飼ってくださって

ありがとうございます

わたしはおばさんに頭を下げた

 

ううん

あんなに可愛い亀をくれて

本当にありがとうございます

 

おばさんも深々と頭を下げてくれた

 

 

わたしの育てた15年と

おばさんに可愛がられた10年

亀はどっちが幸せだったのかしら

聞くことなんて出来ないけれど

 

 

もっともっと

 

 

可愛がってあげれば良かった

 

 

 

 

亀のことを想ってわたしは

 

 

 

はじめて泣いた

 

 

 


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亀は万年って嘘でした

 

 

25年生きて

 

お空へ還っちゃった

 

 

 

 

さよなら

ごめんね

 

 

 

ごめんね